「筋トレをすると身長が伸びなくなる…」こんなうわさを聞いたことありませんか?
「身長を伸ばしたいから筋トレはしない」なんて方はいませんか?
成長期の子供をお持ちのお母さんも、「成長のために筋トレは避けたほうがいい」なんて思っている方はいませんか?
実は、筋トレすべてが身長を伸ばすことに悪影響を及ぼすというのは間違いです。ポイントさえしっかり押さえて筋トレを行っていれば、身長が伸びなくなる、なんてことはありません。
スポーツが成長のために必要である、ということと全く同じで、適度な筋トレは成長にはもってこいなんです。
この記事では、身長を伸ばすための筋トレとそのタイミングをご紹介します!
「筋トレは身長が伸びない・止まる」誤解のワケ
筋トレを始める時期からくる誤解
子供が本格的に筋トレを始めることが多い時期は、中学生~高校生の頃。男子の成長期は18歳頃まで、女子の成長期は16歳頃までなので、筋トレをし始める頃と重なりますよね。そのため、身長が伸びなくなったという印象を与えてしまいます。
体に与える影響から
・筋肉が骨を抑えつけてしまう…?
子どもが筋トレをすると「筋肉が太くなるにつれて骨を抑えつける力が加わり、骨の成長を妨げるのではないか」と疑問視するうわさがあります。しかし、研究結果では筋肉が抑えつける力より、骨が成長しようとする力のほうがはるかに強いとされています。
・骨や関節への負担
筋トレは、体に負荷を与えて強くしていくスポーツですから、筋肉だけでなく骨や関節にも負担をかけることになります。
こうした骨や関節への負担から、身長が伸びなくなるといわれてきました。実際、小学生や中学生の頃に負担が極端に大きな筋トレを継続すると、身長に悪影響が出る場合もあります。
・骨端軟骨はつぶれてしまうことがある
骨端軟骨はやわらかい組織であるため、強い衝撃が繰り返されると、この骨端部分がつぶれてしまう可能性があります。
「本来伸びるはずであった身長」が骨端軟骨の損傷によって十分に成長出来なくなってしまう可能性があります。これによって、伸びるはずの「身長が止まる」という現象に繋がるわけです。
これだけ聞くと恐ろしいですよね。筋トレなんてしないほうがいい!と、このうわさが広がってしまったのも頷けます。
しかし、筋トレ自体は成長を阻害するようなものではないのです。
先ほどから強調しているとおり、上記の弊害はすべて、間違った筋トレをしていたり、大きすぎる負担を体にかける筋トレを継続して行っていたりした場合に起きる可能性があるのです。
どのスポーツだって、体に負担をかけすぎてしまったら、故障の原因になるのは当たり前です。
つまり、筋トレのポイントさえ押さえればいいのです。筋トレは身長を伸ばさないどころか、むしろ身長を伸ばすのを助ける効果があります。
筋トレで身長は伸びるのか?
筋トレを行うことで、成長ホルモンといわれるホルモンの一種の分泌が盛んになります。身体を大きくする効果をもったホルモンです。
成長ホルモンは、身体を大きくするといった観点から言えば、身長に対しても効果を発揮します。
筋トレをすると、HGH(ヒト成長ホルモン)というホルモンの分泌が活発になります。疲労感の解消、やる気・集中力の増加、筋肉量の維持(増加)、脂肪分解の促進、骨の強化、免疫システムの刺激などなど、体にとって非常に強いプラスの成果をもたらします。
筋肉にきちんと負荷をかけて筋トレをすると筋肉繊維が破壊され、それを修復するために成長ホルモンがたくさん分泌されます。
また、筋肉中に生成される乳酸にも成長ホルモンの分泌を促す作用があります。成長ホルモンは、年齢を経るごとにその分泌量が減ります。よって、大人になると子供の時のようには身長が伸びにくくなります。
しかし、全くでないわけではないので、成長ホルモンがより多く分泌されるようなことをしてあげれば、成人してからも身長は伸ばすことが可能です。そして、その成長ホルモンの分泌を促進するものの一つが筋トレというわけです。
身長を伸ばすのに効果的なトレーニング
大胸筋…腕立て伏せやベンチプレス
成長ホルモンの分泌は、鍛える部位によっても差が出ます。それはだいたい筋肉の体積に比例するようです。
つまり、大きい筋肉を鍛えれば、成長ホルモンの分泌がなされ、身長が伸びやすいということになります。
上半身では大きな筋肉は、大胸筋(胸板)と腹筋(お腹)と広背筋(背中)です。大胸筋は、上半身で最も大きな筋肉ですので、成長ホルモンを分泌させるには効率的な筋肉です。
広背筋…ラットプルダウン
身長には姿勢が正しいことも影響してきますので、猫背にならないためにも腹筋と広背筋をバランス良く鍛えましょう。
広背筋はラットプルダウンというトレーニングで、上の画像のようなマシンを使って鍛えることができます。
大腿筋…スクワット、レッグカール
下半身で大きな筋肉は、大腿筋(太もも)です。
バスケットボールやバレーボールなどのスポーツは、ジャンプするときに大腿筋を使いますし、より高く飛ぶために大腿筋を鍛えますので、一般的には身長が伸びやすいスポーツとされています。
腸腰筋…足上げ
姿勢に関して言えば、骨盤をしっかり立てるには腸腰筋という股関節についている筋肉をつける必要があります。
筋肉量は少ないですが、下半身と上半身のバランスの要になる骨盤をしっかり支える要になるのが腸腰筋です。
小学生の筋トレは身長を止める恐れがある
小学生の間は筋トレをするメリットはあまりありません。むしろ、このころに負荷のかかる筋トレをしてしまうと、そのあとに控えている成長を阻害してしまう可能性があります。
小学生の時は筋トレよりも神経系と呼ばれる発育が重要で、このころはリズム感や器用さなどの発育が著しいので、たくさんの遊びをさせることが大切です。
筋トレは中高校生くらいからが最適
身長を伸ばすためには、背骨と足の骨が成長する必要があります。一般的に、身長が大きく伸びる第二次性徴期の10歳~17歳ぐらいの間しか、骨は伸びないと言われています。
骨の成長にも、成長ホルモンの分泌が密接に関係していますので、この時期に筋トレをすることは、身長を伸ばす上でも効率的であると言えます。
身長を止めてしまう?!NG筋トレ方法
身長が伸び悩んでしまう恐れのあるNGな筋トレ方法は主にこの3つ。
- 強すぎる負荷をかける
- 休みを取らずに筋トレする
- カロリーを消費しすぎる
詳しく解説していきます。
強すぎる負荷をかける
強すぎる負荷は成長を妨げます。「膝を極度に深く曲げる運動(うさぎ飛びなど)」「ウエイトを用いたジャンプ動作を伴うトレーニング」「長時間にわたる縄跳び」「瞬間的に負荷のかかるメニュー」は避けるべきです。
また、一部に負荷をかけるトレーニング(単関節種目)もやりすぎないほうがいいです。単関節種目は、一部分に負荷がかかりすぎてしまうため、骨格に負担をかけてしまう原因になることも。フロントレイズやサイドレイズ、ダンベルカール、レッグエクス
テンションなどが代表的な単関節のトレーニングです。
休みをとらない
負荷の少ない筋トレでも休みなしで行うと、骨格に負担をかけてしまうほどの負荷になってしまうこともあります。「疲れた」と思ったら、無理をせずに休みましょう。
カロリーを消費しすぎる
成長期の場合、成長にも多大な栄養が消費されるのに、筋トレでも多大な栄養が消費されてしまっては成長のための栄養が足りなくなってしまいます。
筋トレによる栄養の消費も、身長を伸ばさなくなってしまう原因とされています。そのため、成長期で筋トレをする時には、しっかりと栄養を補給しながら行うようにしてください。
筋トレ身長のまとめ
成長期に筋トレは良くないといわれますが、「一概にダメ」かといったらそうではありません。
せっかくの成長期です。ポイントを押さえた適度な筋トレで、身長を伸ばして、健康的に毎日を過ごしましょう。
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