下半身のトレーニング効果の高さから筋トレのBIG3の1つとして取り上げられるほどポピュラーなスクワット。
しかしスクワット初心者の方の中にはバーベルを担ぐ位置を変えることで、トレーニングの効果が大きく変わることにお気付きでない方もいるのではないでしょうか?
この記事ではそんなバーベルの担ぎ方のバリエーションのひとつである「ローバースクワット」をご紹介したいと思います。
そのトレーニングで鍛えられる部位、効果やトレーニング方法などを説明。
そして担ぎ方で効果の変わるハイバースクワットとの比較も解説していきます。
ローバースクワットで鍛えられる筋肉
ローバースクワットとはバーベルを担ぐ際に三角筋後部にバーを置いて担ぐスクワットです。
一般的にスクワットの担ぎ方としてよく使われているのはこのローバーだと思います。
バーベルを肩より背中に近い場所に置くことにより、上半身の前傾が大きくなります。
これにより腰まわり、大殿筋、ハムストリングといった下半身の後ろ側の大きな筋肉(大筋群)に強く負荷をかけることができます。
ローバースクワットの効果!前傾で高重量を上げやすい?
ローバースクワットは下半身の後部に大きなトレーニング効果があるため、ダッシュ力アップ、ジャンプ力アップ、下半身の安定、体幹の強化などの効果が期待できます。
これらの能力はあらゆるスポーツのパフォーマンスにおいて重要なファクターとなることを考えれば、トレーニングを行うほとんどのトレーニーにとって欠かすことのできない大切なトレーニング種目であると言えます。
また後で説明する「ハイバースクワット」やバーベルを肩に担いで行う「フロントスクワット」と比較して、運動に動員できる筋肉部位が多いため高重量を上げることができるというメリットがあります。
ローバースクワットとハイバースクワットの違い
ハイバースクワットとはローバースクワットと比べ、バーベルを高い位置で担ぐスクワットです。(ハイバー〈高い位置のバー〉に対し、ローバー〈低い位置のバー〉という意味になります。)
バーベルを僧帽筋の上部に置いてスクワットを行います。ローバーと比較して、バーベルを背中より肩の位置に置くことにより上半身の前傾がわずかとなり、地面に対してより垂直にスクワットすることになります。
これにより、ローバーが下半身後部に強い負荷がかかることに比べ、ハイバーは下半身の前面(大腿四頭筋)に強い負荷がかかります。ハイバースクワットはローバーと比べ、太もも前のトレーニングとして効果の高い種目という事が言えます。
ローバースクワットのやり方・フォーム解説!担ぐ位置は肩甲骨?手幅・足幅は?
それではローバースクワットの実際のやり方、フォームの解説をしていきましょう。
バーベルを担ぐ~立ち上がる
パワーラックにバーベルとウェイトをセットします。パワーラックにバーをセットする高さは自分の胸の上のあたりの位置の高さにすることで、バーを担ぎやすくなります。
バーベルを三角筋後部(肩甲骨の上あたり)に置いてバーベルを担ぎます。手幅はバランスを取りやすくするために広めに保ちます。
バーベルラックからバーベルを外し立ち上がります。足幅は肩幅より少し広いぐらいの幅で、つま先を少し外側に向けます。重心は土踏まずのあたりを意識して保ちます。これでスクワットの準備完了です。
しゃがむ
息を吸いお腹に力を入れながら、太ももが水平になるまで腰を落とします。膝はつま先から少し出る程度を意識し、上半身を前傾させておしりを後ろに突き出しながら腰を落としましょう。
立ち上がる
大殿筋とハムストリングをしっかりと意識しながら真上に持ち上げます。腰を真上に挙げる動作と連動して上半身を起こしながら胸を張ります。
流れがわかったら、以下の動画を見ながら、やり方・フォームをおさらいしてみましょう!!
ローバースクワットの重量の決め方
ローバースクワットを行うにあたって適正な重量はトレーニングの目的によって変わってきます。
筋肥大を目的とするトレーニングであれば1セットに8~12回できる重量。
筋肉の持久力を強化するトレーニングであれば1セットに15~20回できる重量。
筋肉の神経レベルの発達・強化のトレーニングであれば1セットに 1~5回できる重量。
セット数は3~4セット内で行うと良いでしょう。
ただし、正しいフォームを習得していない場合、高重量を扱うことで腰のケガの危険性が出てきますので、軽い重量、もしくは自重でのトレーニングでフォームの習得をしてから高重量のトレーニングに移りましょう。
ローバースクワットのコツ・注意点
目線を真っすぐに保ち、しゃがむ~立ち上がる動作の間も背中を丸めたり反らし過ぎたりしないように体幹の軸を意識して保つようにしましょう。
息を吸って腹部に力を入れて横隔膜を収縮させることで腰の周りを安定させることができます。
これを「腹圧をかける」といい、この腹圧で体の軸を安定させることにより腰の怪我を予防します。動作の間しっかりと腹圧をかけることに注意しましょう。
ローバースクワットができないときの対処法
腰・手首・肘・肩・背中などが痛い場合
ケガがありローバースクワットができない場合、バーベルを使用するコンパウンド系のトレーニングは避けてマシンを使用したアイソレーショントレーニングを代替として行うことができます。
レッグプレスやレッグカールなどのマシンを使って怪我の箇所に負荷をかけずにトレーニングをしましょう。
ただし、腰や背中などの怪我はマシンでのトレーニングとはいえ間接的に負荷がかかることもあるので、ケガが完治するまでは下半身のトレーニングを休むことをお勧めします。
バーが落ちる・担げない場合
バーベルが落ちてしまう、バーベルを担ぐとき痛くてうまく担げない人は、
- 胸・背中・肩甲骨の柔軟性がない
- 手首の柔軟性がない
といった原因が考えられます。
肩回り、背中のストレッチ、手首と指先のストレッチを行い柔軟性を良くすることで、バーベルを三角筋後部に安定して置くことができ、痛みなくトレーニングを行うことができます。
体の土台となる下半身を効率的にトレーニングできるスクワット。バーの担ぎ方次第で下半身前部に負荷をかける、後部に負荷をかける、とトレーニングの目的別にその効果を変化させることができます。
ローバースクワットのまとめ
下半身の中で一番大きな筋肉である大殿筋、ハムストリングを効率よくトレーニングできて、高重量のリフトにも適したローバースクワット。まさにトレーニングの王道とも言えるでしょう。
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