フィットネスの聖地とも言える、アメリカ。そのアメリカのフィットネスクラブを訪れて見ると、何やら、日本では見たことのないマシンが並んでいます。
そこでよく見かける有酸素マシンがステアマスター。
1984年にアメリカのステアマスター社が開発したフィットネスマシンで、階段を登ることで運動を行うクライミング系マシンです。
米国では、足腰の弱い人でも使用できるマシンとして非常に注目を集めています。
ステアマスターとは?使い方と効果を解説!
ステアマスターは、その見た目の通り、階段を登り続けるだけのカーディオマシンです。
使い方はとても簡単!
運動時間と運動コース・負荷レベル・自分の体重を入力して、時間が切れるまでひたすら登り続けることができます。
単純なマシンですが、このステアマスターは他のカーディオマシンにはない以下のような特徴を持っています。
着地の衝撃による腰への負担がない
トレッドミルなどの走行型カーディオマシンは、走る際に足が地面に着地するので、その衝撃がどうしても体にとって負担となってしまいます。(アウトドアをランニングする場合も同様)
一方、階段を登る運動は、足を着地させる衝撃が起こらず、腰への負担があまりありません。その為、トレッドミルやランニングで腰を痛めてしまう人も、ステアマスターなら安心して利用することができます。
効率的なカロリー消費運動
ステアマスター社のトレーナー、ジェイ・ブラニク氏によると、「登る」という運動はおおよそ人間が地球上でできる運動の中で最も多くのカロリーを低負荷・低速度で消費することができます。
ブラニク氏によると、トレッドミルで6mphあたりに消費するカロリーを、ステアマスターならたったの1mphで消費できます*1。
また、階段を登る際に脚を高く上げることにより、太ももや臀部の筋肉を鍛えることができます。このことにより、下半身の脂肪燃焼や、脚・お尻の筋肉の肥大効果が期待できます。
*1 元の記事を読んでみたい人は…こちら(英語)
機能的な体づくりをサポート
階段を登る、という動作は、毎日の日常生活の中で頻繁に行っています。この日常的動作をトレーニングに取り組むことで、体のバランスを整え、日々の生活での動きを格段に楽にしてくれます。
また、ステアマスターでの登り運動は、実際の階段の昇降よりも格段に良いです。
というのも、「階段を降る」という動作は膝に負担をかけるので、あまりにやりすぎると体を痛めてしまう可能性がありますので注意が必要です。
ステアマスターを試せる場所は日本では少なく購入も困難
米国ではこれほど有名なステアマスターですが、何故か日本では導入していない施設が多いです。
というのも、フィットネス分野では、日本はどうしても欧米に遅れを取っており、カーディオマシン=トレッドミルやバイク、というイメージが先行しています。
そのため、ステアマスターの導入を検討しないジムが多いのが現状です。
最近は、別メーカー製の階段型マシンも出てきており、種類も値段帯も多くはなってきていますが、それでもあまり見かけることがないのが現状です。
▼マトリックス社製の階段型カーディオマシン「クライムミル」
「家庭用のマシンは出ていないのか」「業務用を中古で買うことはできないか」との声もありますが、現在、日本では家庭用のステアマスターを購入することはできず、また流通している業務用中古も少数で値が張ってしまいます。
更に、ステアマスターは非常に大型のマシンであるため、日本の小さな家屋に設置することには適していません(メーカーは、設置をするのに3メートル以上の高さの天井を推奨している)。
ステアマスターの代わりにステップクライマーを使用しよう
自分の行っているジムには置いていない、それでもクライミング系マシンを使用したい、という人は、日本でも多くのジムに導入されている「ステップクライマー」を使ってみると良いでしょう。
このマシンは、「ステップを踏み込む」という運動により、階段を登る動作を再現しています。
ステアマスターとステップクライマーの効果には以下の類似点があります。
- 着地による衝撃がない。そのため、足腰の弱い方でも使用可能。
- ステップを踏み込む際、太ももを大きく上げる。また踏み込むために下半身に力を入れるので、下半身の筋肉の強化・肥大に繋がる。
- 短時間・低速度で絶大なカロリーを消費する。左右のサイドレールに掴まりながら運動できるので、転倒の恐れがある高齢者にもおすすめ。
このように、ステアマスターとステップクライマーはとても似通っており、またステップクライマーに関しては家庭用のマシンも各種メーカーから販売されているので、非常に試しやすいトレーニングです。
クライミング系マシンの利点は、有酸素運動だけでなく下半身の筋肉も強化してくれること。
自分は筋肉を大きくするためにトレーニングをしているので普段は有酸素運動はやらないという人でも、下半身をより太く立派に見せるために使用してみるのもいいかもしれません。